静音マウスとは?カチカチ音が気になる人向けの選び方
「静音」はメーカーごとに意味が違います。この記事では、公表されている数値と、その数値が何と比べたものかを確かめながら選ぶ手順をまとめます。
結論:静音マウスの「90%静か」は、その会社の普通のマウスと比べた数字です。何デシベルかは公表されていません。比べるなら、音より先に「重さ・電池の持ち・保証」を見たほうが確実です。
「静か」とは、何と比べて静かなのか
静音マウスの説明でよく見る「クリック音90%軽減」。この90%が何と比べた数字なのかは、製品ページの小さな注釈に書かれています。ロジクールは、条件まで公表している数少ない例です。
Silent Touchテクノロジー ロジクールM185と比較して、クリックノイズを90%軽減。独立ラボによって1メートルの距離で測定された左クリックのdBAレベル。
出典: ロジクール公式サイト「M240 for Business」製品ページ(2026年9月1日確認)
ここから分かることは4つあります。
- 比べた相手は同じ会社のM185という普通のマウスです。他社製品や「無音」と比べた数字ではありません
- 測ったのは1メートル離れた場所です。となりの席の人が聞く距離に近い条件です
- 測ったのは左クリックだけです。ホイールを回す音や、マウスを持ち上げて置く音は含まれていません
- 単位はdBA(人の耳の感じ方に合わせた音の大きさ)ですが、元が何dBAで、静音モデルが何dBAなのかは公表されていません
同社のM650でも、よくある質問の中で「ロジクールM185と比較してクリック音を90%以上軽減します」と説明されています(2026年9月1日確認)。つまり比較の基準はM185で統一されています。
なお、実際に何デシベルまで下がるかを公表しているメーカーは、今回調べた範囲では見つかりませんでした。当サイトでも音の大きさは測定していません。「◯dB静かになる」と書いてある情報を見かけたら、それが何と比べた数字なのかを確かめてください。
静音モデルは、音以外もここが違う
同じロジクールで、比較の基準になっているM185(静音ではない普通のモデル)と、静音モデル3つの公表値を並べました。
この表はロジクール製だけを並べたものです。静音マウス全体の比較ではありません。エレコム・サンワサプライについても公表値を確認しようとしましたが、公式サイトから数値を取得できなかったため、この表には載せていません(2026年9月1日時点)。確認できていないものは載せない方針です。
| 項目 | M185(静音ではない) | M240 for Business | M650 | M750 |
|---|---|---|---|---|
| クリック音 | 基準 | M185比 90%軽減 | M185比 90%以上軽減 | 静音(比較値の記載なし) |
| 重さ | 75.2g | 公表なし | 101.4g | 101.2g |
| 大きさ(高さ×幅×奥行) | 99×60×39mm | 公表なし | 108.2×61×38.8mm | 107.19×61.8×37.8mm |
| ボタンの数 | 3 | 公表なし | 5 | 6(横スクロール対応) |
| 感度(DPI) | 1000 | 400〜4000 | 400〜4000 | 400〜4000 |
| 電池のもち(受信機使用時) | 最長12ヵ月 | 最長18ヵ月 | 最長24ヵ月 | 最長24ヵ月 |
| 保証 | 3年 | 2年 | 2年 | 2年 |
| 価格(税込・公式ストア) | — | 3,080円 | 4,840円 | 5,280円 |
出典: ロジクール公式サイトの各製品ページ(2026年9月1日確認)。価格は公式ストアの表示価格で、変動します。M650にはひと回り大きいM650 L(118.7×66.2×42mm・115.4g)もあります。
音の話から離れて数字を並べると、選ぶときに効く違いが3つ見えてきます。
- 静音モデルのほうが約26g重い(75.2g → 101.4g)。1円玉26枚ぶんです。軽さを重視する人には、ここが乗り換えの引っかかりになります
- 電池は静音モデルのほうが長持ちします(最長12ヵ月 → 最長18〜24ヵ月)。静音とは直接関係のない、世代の新しさによる差です
- 保証は静音モデルのほうが1年短い(3年 → 2年)。長く使う前提なら、ここは確認しておく価値があります
静かになるのは「クリック音」だけです
静音マウスが抑えているのは、主にボタンを押したときの音です。マウスを使うときに出る音は、それだけではありません。
| 音の種類 | 静音マウスで小さくなるか | メーカーの公表値 |
|---|---|---|
| 左クリック・右クリックの音 | 小さくなる | あり(M185比90%軽減など) |
| ホイールを回す音 | 製品によります | 公表されていません |
| マウスを持ち上げて置く音 | 変わりません | — |
| 机の上を滑らせる音 | 変わりません(マウスパッドの影響が大きい) | — |
夜間の在宅ワークで「音が気になる」場合、原因がクリック音なのか、机に置くときの音なのかで打ち手が変わります。クリック音以外が原因なら、静音マウスに買い替えても解決しません。
選ぶときの手順(3つ)
1. 気になっている音が「クリック音」かを確かめる
いま使っているマウスで、ボタンだけを押したときの音と、持ち上げて置いたときの音を分けて聞いてみてください。後者が気になっているなら、マウスパッドを替えるほうが早いです。
2. 「静音」の表記に、比較の条件が書いてあるかを見る
「◯%軽減」とだけ書いてあり、何と比べたのかが書かれていない場合、その数字は比べようがありません。製品ページの注釈(小さい文字の脚注)に、比較対象・測定距離・測ったボタンが書かれているかを確認してください。
3. 重さ・電池・保証を見て決める
静音であることは、上の表のとおり多くの製品で横並びになりがちです。差がつくのは重さ(75g台か100g台か)、電池のもち(12ヵ月か24ヵ月か)、保証(2年か3年か)です。選び方完全ガイドと、接続方式は有線と無線の違いもあわせて確認してください。
静音マウスが向く場面・向かない場面
| 場面 | 相性 | 理由 |
|---|---|---|
| 会議室・オンライン会議中 | 良い | 1m離れた相手に届くクリック音が小さくなる(測定条件と同じ距離) |
| 夜間の在宅ワーク | 良い | 同居する人がいる部屋で音の原因を1つ減らせる |
| 図書館・カフェ | 良い | 周囲との距離が近く、クリック音が目立ちやすい |
| ゲーム | 好みが分かれる | 押した感触が弱く感じられることがある。連打の反応を重視するなら要確認 |
| 持ち歩き | 確認が必要 | 静音モデルは100g前後で、軽量モデル(75g前後)より重い |
よくある質問
Q. クリック音はどれくらい静かになりますか?
ロジクールは「M185と比較して90%軽減(1m離れた位置で測った左クリックのdBA)」と公表しています。ただし元が何dBAで、静音モデルが何dBAなのかは公表されていません。「無音になる」ではなく「同じメーカーの普通のマウスより大幅に小さくなる」と考えてください。
Q. ホイールの音も静かになりますか?
製品によります。ホイール音についての数値を公表しているメーカーは、今回調べた範囲では見つかりませんでした。クリック音の数値と混同しないでください。
Q. 静音モデルは電池のもちが悪くなりませんか?
公表値では逆でした。M185が最長12ヵ月、静音のM240 for Businessが最長18ヵ月、M650・M750が最長24ヵ月です(いずれも受信機使用時・ロジクール公表値)。
Q. ゲームにも使えますか?
使えますが、押した感触が変わります。上の表の静音3モデルは感度が400〜4000DPIで、ゲーミングマウスの一般的な上限より低い設定です。ゲーミングマウスの選び方もあわせてご覧ください。
Q. 仕事用なら静音マウス一択ですか?
静かな環境で使うなら有力です。ただし保証が3年から2年に短くなる例があり、重さも25g前後増えます。音以外の条件で不利になっていないかを確認してから決めてください。
この記事の数字の出どころ
- ロジクール公式サイト 各製品ページ(M185/M240 for Business/M650/M750)— 寸法・重量・DPI・ボタン数・電池寿命・保証・価格。2026年9月1日に確認
- 「90%軽減」の条件(M185比・独立ラボ・1m・左クリックのdBA)— 同社M240 for Business 製品ページの注釈
- 価格は公式ストアの税込表示で、変動します
- 当サイトでは音の大きさ(dB)を測定していません。測定値として書いている数字はありません

