いまのキーボードの打鍵音を小さくする|静音リングとマット
気に入っているキーボードの音だけが気になる、という時は、買い替える前に手を入れられる所があります。どこから音が出ているかを分けて考えると、何をすれば効くかが見えてきます。
要点:まず音の出どころを「キーを押し切った音」「キーが戻る音」「机に響く音」「長いキーのカタカタ音」に分けます。押し切った音には静音リング、机の響きには敷物、と出どころごとに手当てすると、むだな出費をせずに静かにできます。
音の出どころを4つに分けて聞く
打鍵音とひとまとめに呼びますが、実際にはいくつかの音が重なっています。静かな部屋で、ゆっくり1つずつキーを押して聞き分けてみてください。
| 音の種類 | 聞こえ方 | 主な手当て |
|---|---|---|
| 押し切った音(底打ち) | 押した瞬間の「コツッ」 | 静音リング、打ち方 |
| 戻る音 | 指を離した時の「カチャ」 | 通常のキーキャップ用Oリングで抑えられるとは限らない |
| 机に響く音 | 低い「ドン」という響き | マット・敷物 |
| 長いキーの音 | スペースキーやEnterの「カタカタ」 | メーカーの案内に沿った手入れ |
どの音が大きいかは、キーボードの作りと机で変わります。いちばん気になる音から順に手を入れると、少ない手間で違いを感じやすくなります。
静音リングを付けて底打ちの音を減らす
静音リングは、Oリングとも呼ばれる小さなゴムの輪です。対応するメカニカルキーボードのキーキャップの裏の軸に通して使います。すべての軸やキーキャップに適合するわけではないので、製品の対応表を先に確認します。キーを押し切った時に、キーキャップが本体に当たる前にゴムが受け止めるので、硬い当たりの音がやわらかくなります。
付け方
キープラーでキーキャップを真上に抜き、裏の軸の根元までリングを通して、キーキャップを戻します。最初は少数のキーで試し、入力できるか、押したあと戻るかを確認してから広げます。外す前にキーボードの写真を撮っておくと、戻す位置で迷いません。長いキーは金属の部品が付いていて戻しにくいので、慣れるまでは外さずに残しておくのが無難です。
打ち心地は少し変わる
リングを入れると、キーを押し込める深さがわずかに浅くなり、押し切った時の感触もやわらかくなります。これを打ちやすいと感じる人もいれば、ふにゃっとして物足りないと感じる人もいます。リングには厚さや硬さの違う物があるので、薄い物から試すと元の打ち心地から離れすぎません。パンタグラフ式や薄型のキーボードには使えない点にも注意してください。
マットや敷物で机に響く音を抑える
低い響きには、キーボードから机へ伝わる振動が関わっている場合があります。吸音を目的にしたフェルト製のキーボードマットもあります。ただし、すべての布や敷物で同じ効果が出るとは限らないので、置く前後で聞き比べます。
マットはキーボードの下だけに敷く小さな物でも、マウスまでのせる大きな物でもかまいません。大事なのは、キーボードの底のゴム足がマットの上にしっかり乗っていることです。端が浮いていると、打つたびにキーボードが揺れて、かえって音が出る場合があります。厚すぎるマットはキーボードの位置が高くなるので、手首の角度もあわせて確かめてください。
道具を使わずにできること
押し切らずに打つ
メカニカルキーボードの軸には、押し切る前に入力が入る作りの物があります。入力が入る位置は軸の種類で違うので、メーカーの仕様で確かめてください。入力が入る位置を指が覚えると、強く底まで押し込まなくても文字が打てるようになり、底打ちの音そのものが減ります。最初は意識しないと戻ってしまいますが、静音リングを使う場合も、入力できる深さが残っているかを確かめながら試してください。
長いキーのカタカタ音
スペースキーなどのカタカタ音は、キーの左右を支える金属の部品が鳴っていることがあります。部品に専用の潤滑剤を塗る方法もありますが、分解が必要になる場合があり、保証の扱いにも関わります。手を入れる前に、取扱説明書かメーカーのサポートページで手入れの方法が案内されているかを確かめてください。
試す順番と、元に戻せるかどうか
手を入れる時は、元に戻せる物から試すのが安全です。いちばん手軽なのは打ち方の見直しで、道具も費用もかかりません。次がマットや敷物で、置くだけなので、合わなければ外せば元どおりです。静音リングもキーキャップを外せば取り除けるので、戻せる手当てに入ります。
一方で、ケースを開けて中にすき間を埋める素材を入れる方法や、部品に潤滑剤を塗る方法は、元の状態に戻すのが難しくなります。分解は保証の扱いに関わることもあります。戻せる手当てを一通り試して、それでも気になる音が残った時に、初めて検討するくらいの位置づけで考えてください。
| 手当て | 手間 | 元に戻せるか |
|---|---|---|
| 打ち方の見直し | 少ない | 戻せる |
| マット・敷物 | 少ない | 戻せる |
| 静音リング | キーキャップの付け外しが要る | 戻せる |
| 分解しての手入れ | 多い | 戻しにくい・保証に関わる場合がある |
音の感じ方は、自分と周りの人でも違います。手を入れる前と後で、同じ文章を打つ様子をスマホで録音して聞き比べると、どれだけ変わったかを落ち着いて判断できます。家族や同じ部屋で働く人に、前と比べてどうかを聞いてみるのも確かな方法です。自分では気にならなくなっても、離れた場所で聞くと別の音が目立っていることがあります。
よくある質問
Q. どの方法がいちばん効きますか?
キーボードと机の組み合わせで変わります。押した瞬間の音が気になるなら静音リング、ドンと響く音ならマット、と聞き分けた音に合う方から試してください。
Q. 手を入れても、まだうるさいと言われます。
青軸のようにクリック音が鳴る作りのスイッチは、スイッチの中で音が出ているため、リングやマットでは消えません。その場合、リングだけで解決しようとせず、静音モデルの選び方は下の記事で確かめてください。選び方は下の記事で整理しています。
Q. ウェブ会議でマイクが打鍵音を拾ってしまいます。
キーボードの音を小さくするのと合わせて、マイクの置き場所も見直すと効きます。PCに内蔵のマイクは、キーボードのすぐ近くにあるため、打鍵の振動まで拾いやすくなります。外付けのマイクやヘッドセットを使い、口の近くで声を拾うようにすると、相手に届く音が変わる場合があります。会議アプリの録音や通話テストで確かめてください。会議アプリに雑音を抑える設定がある場合は、それもあわせて使ってください。


