NPU・Copilot+ PCとは?AI向けPCに要るもの
売り場で増えてきた「AI PC」「Copilot+ PC」の表示。言葉は似ていますが、指しているものは同じではありません。AIを使うためにパソコンに何が要るのかを、部品と条件に分けて説明します。
結論:NPUはAIの処理を少ない電力で受け持つ部品です。Copilot+ PCは、対応するプロセッサーやWindowsの条件に加え、NPU 40 TOPS以上・メモリ16GB以上・ストレージ256GB以上などの要件を満たすPCです。インターネット経由で使うAIサービスが中心なら、Copilot+ PCでなくても使えるものがあります。
AIの処理を受け持てる部品は3つある
パソコンの中でAIの計算ができる部品は、NPUだけではありません。それぞれ得意なことが違います。
| 部品 | 得意なこと | AIでの使われ方 |
|---|---|---|
| CPU | 汎用的な処理を受け持つ | 対応するAIアプリの計算や全体の制御 |
| GPU(グラフィック機能) | 同じ計算を大量に並べて行う | 画像の生成など、重いAI処理 |
| NPU | AI向けの計算を少ない電力で行う | ビデオ会議の背景処理など、常に動かしておくAI処理 |
NPUの強みは、電力をあまり使わずにAIの処理を続けられることです。ノートPCで電池を気にしながらAI機能を使う場面で差が出ます。CPUそのものの役割は「CPUとは?」の記事で説明しているので、ここではAI処理に関わる部分だけを扱います。
NPUの性能を表す「TOPS」
NPUの性能は、TOPS(1秒間に何兆回の計算ができるか)という単位で書かれます。値は演算の精度や測定条件にも左右されるため、数字だけで実際のアプリの速さを比べられるとは限りません。CPUの製品ページには、NPUのTOPS値が載っていることがあります。
ここで気をつけたいのは、製品ページには「NPUだけのTOPS」と「CPU・GPU・NPUを合わせたTOPS」の2種類が書かれている場合があることです。たとえばAMDのRyzen 5 230は、NPUが最大16 TOPS、チップ全体では最大31 TOPSと書かれています。Copilot+ PCの条件で見るのはNPUだけの数字です。
Copilot+ PCの主なハードウェア条件
Copilot+ PCは、Microsoftが決めた条件を満たしたWindows PCの呼び名です。Microsoftの公式の仕様ページでは、Windows 11のシステム要件に加えて、次の主な条件が示されています。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| プロセッサー・NPU | 40 TOPS以上のNPUを持つ対応プロセッサーまたはSoC |
| メモリ | 16GB以上(DDR5またはLPDDR5) |
| ストレージ | 256GB以上のSSDまたはUFS |
表の条件はすべて必要ですが、この数字だけで判定できるわけではありません。対応プロセッサー、Windowsのバージョン、使いたい機能固有の条件も公式の案内で確かめてください。NPUを積んでいても、40 TOPSに届かないPCはCopilot+ PCとは呼ばれません。逆に、IntelのCore Ultraシリーズ2のうち200Vは、Intelの公式の資料でNPUが最大48 TOPSと示されており、NPUの条件は満たせる性能です。
Copilot+ PCだけで使える機能があり、その内容はMicrosoftの案内で更新されています。買う目的がその機能なら、使いたい機能の名前と対応の条件をMicrosoftの公式ページで確かめてから選んでください。
NPUがなくても使えるAIもある
ブラウザで開くチャット型のAIや、インターネット上で画像を作るサービスは、計算をサービス側のコンピューターで行うものがあります。このタイプは、手元のPCにNPUがなくても使える場合があります。
一方、インターネットにつながっていない時でも動かしたいAI機能や、ビデオ会議の映像をその場で加工する機能などは、手元のPCで計算します。NPUに対応した機能では消費電力を抑えられる場合がありますが、電池の持続時間はPC全体の構成や使い方でも変わります。
自分に要るかを決める3つの質問
- 使いたいAI機能は、手元のPCで動くものか、インターネット上のサービスか
- その機能は、Copilot+ PCを条件にしているか
- 電源のない場所で、AI機能を長く使うか
サービス側で計算する機能が中心で、Copilot+ PCの専用機能も必要なければ、NPUの性能を最優先にする必要は薄くなります。その場合は、メモリの容量やCPUの世代など、ふだんの快適さに効く部分を先に見た方が満足しやすくなります。
製品ページで確かめる順番
AI機能を目的にPCを選ぶなら、まず製品ページや箱に「Copilot+ PC」の表示があるかを見ます。表示がない機種で、NPUの性能を自分で確かめたい時は、CPUの型番からCPUメーカーの製品ページを開き、NPUのTOPS値を見てください。最後に、メモリとストレージの容量がCopilot+ PCの条件に届いているかを、PCの仕様表で確かめます。
CPUが条件を満たしていても、メモリが少ない構成で売られている場合は、Copilot+ PCにはなりません。同じ機種の中で構成違いが並んでいる時は、特にメモリの欄をよく見てください。
よくある質問
Q. NPUがあると、ふだんの作業も速くなりますか?
NPUはAI向けの計算を受け持つ部品なので、文書作成やブラウザの速さに直接効くわけではありません。ふだんの速さはCPUやメモリの影響が大きくなります。
Q. 今のPCにNPUを後から付けられますか?
NPUはCPUの中に組み込まれているものがあり、その場合は後から足せません。必要ならPCの買い替えを考えることになります。
Q. 「AI PC」と書かれていればCopilot+ PCですか?
同じとは限りません。製品ページや箱に「Copilot+ PC」と明記されているかで確かめてください。
Q. メモリ16GBは、AIを使わない人にも意味がありますか?
複数のアプリを同時に開く人には余裕になります。容量の考え方はメモリの記事も参考にしてください。
Q. Copilot+ PCはWindowsのどのPCでも同じ機能が使えますか?
機能によっては、地域や言語、PCの種類で使えるかどうかが変わる場合があります。使いたい機能の対応の条件を、Microsoftの公式ページで確かめてください。
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AI向けPCかどうかは、売り場の「AI」という言葉より、NPUの性能とCopilot+ PCの表示で確かめるのが確かです。CPUやメモリそのものの考え方は、次の記事で整理しています。


