キーキャップの交換と素材|ABS・PBTの違い

キーキャップの交換と素材|ABS・PBTの違い

キーキャップは、指がふれるキーの表面の部品です。スイッチを替えなくても、キーキャップを替えるだけで手ざわりや見た目、打った時の音の感じが変わります。交換できる条件と、素材の違いを順に見ていきます。

要点:交換できるかは「軸の形」「配列」「下の段のキーの長さ」を確認し、さらにキーの高さや周囲への干渉も確かめます。素材はABSがなめらかで発色がよく、PBTはさらっとした手ざわりで使い込んでもテカリが出にくい傾向があります。

キーキャップを替えると何が変わるか

キースイッチは、押した重さや押し心地を決める部品です。それに対してキーキャップは、指先がさわる面の形と質感を決めます。同じスイッチのキーボードでも、キーキャップを替えると、指の引っかかり方、表面のすべり、打った時の音の高さが変わります。

見た目を変えたい、テカリが気になってきた、指がすべる、という悩みは、本体ごと買い替えなくてもキーキャップの交換で解決できる場合があります。ただし、ノートPCや薄型のパンタグラフ式は、キーキャップだけを別売りの物に替える前提の作りになっていません。交換を考えるのは、メカニカルキーボードが中心になります。

交換の前に合わせる3つの条件

軸の形

キーキャップの裏には、スイッチの軸に差し込む穴があります。メカニカルキーボードには十字形の軸を使う物がありますが、メーカー独自の軸や薄型の軸では、差し込み口が似ていても、高さや周囲の部品に干渉して使えない場合があります。今のキーボードの軸の形は、取扱説明書かメーカーのサポートページで確かめてください。

配列

日本語配列と英語配列では、Enterの形や、スペースキーの両脇のキーの数が違います。キーキャップのセットは、どちらの配列向けかが決まっています。配列が違うセットを買うと、一部のキーが足りなかったり、形が合わなかったりします。

下の段のキーの長さ

スペースキーや、その左右のCtrl・Altなどの長さは、同じ配列でもキーボードによって違うことがあります。セットの説明に載っている対応の配列と、自分のキーボードの下の段を見比べてから選ぶと、届いてから合わないということを防げます。

確かめること どこで見るか
軸の形 本体の取扱説明書・メーカーの仕様の欄
配列(日本語・英語) 手元のキーボードのEnterの形
下の段のキーの長さ キーキャップのセットの対応表と見比べる

素材の違い:ABSとPBT

キーキャップの素材として商品の説明によく出てくるのが、ABSとPBTの2つの樹脂です。どちらがよいかは好みで分かれるため、違いを知ったうえで選ぶのが近道です。

素材 手ざわり 使い込んだ時 向いている人
ABS なめらか・しっとり 表面がつるつるに光ってくる傾向がある 色や見た目を楽しみたい人
PBT さらっと・少しざらつく テカリが出にくい傾向がある 長く同じ手ざわりで使いたい人

ABSは色が鮮やかに出やすく、透明感のあるキーや凝った色のセットにもよく使われます。使ううちに指がふれる部分が光ってくるのは、表面が少しずつすり減るためで、汚れではありません。表面の手ざわりは樹脂の種類だけでなく加工でも変わります。素材名を読むだけで好みに合うと決めず、表面加工の説明も見てください。音の高低も素材名だけで決めつけず、厚みや形、組み合わせるキーボードごとに判断します。

印字の作り方とキーの高さの形

キーの文字の入れ方にもいくつか方法があります。2色の樹脂を重ねて文字の部分ごと成形する方法は、表面に印刷した文字とは異なり、文字も樹脂の一部になっています。染料を素材にしみこませる方法も、表面をこすっても文字が消えにくい作りです。表面に印刷した文字は、長く使うと薄くなる場合があります。商品の説明に印字の方法が書かれていれば、確かめておくと安心です。

もう1つの違いが、キーの高さと表面の形(プロファイル)です。段ごとに高さと傾きが変わる形、全部のキーが同じ高さの形、背が高く丸い形などがあります。今のキーボードと同じ形を選べば打ち心地はあまり変わらず、違う形を選ぶと、指の動かし方から変わります。初めての交換なら、今と近い形から選ぶと戸惑いが少なくなります。

交換の手順と、届いてから確かめること

新しいキーキャップが届いたら、すぐに全部を付け替えずに、まず1つだけ試すのがおすすめです。よく使う文字のキーを1つ外し、新しいキーキャップを差し込んで、奥まで入るか、押した時に引っかからないかを見ます。軸の形が合っていても、取り付けの固さや底付きの状態は製品によって違います。きつくて入らない、入っても傾く、という時は無理に押し込まず、対応の条件をもう一度見直してください。

1つで問題がなければ、列ごとに外しては付ける、を繰り返します。全部を一度に外すと、似た形のキーの位置が分からなくなりやすいためです。セットによっては、同じ文字でも段ごとに高さや傾きが違うキーが入っています。裏に段の印が付いている物もあるので、付属の説明を見ながら進めると迷いません。

付け替えが終わったら、メモ帳などで入力と印字が合っているかを確かめます。周囲のキーとぶつからないか、長いキーが端まで押せるかも確認します。キーキャップの印字を変えても、OSの配列設定やキーの割り当ては変わりません。外した元のキーキャップは、袋に入れて取っておくと、合わなかった時や売りに出す時に戻せます。

よくある質問

Q. 一部のキーだけ替えてもよいですか?

替えられます。よく押すEnterやEscだけ色の違うキーにする使い方もあります。高さの形が違うキーを混ぜると、その段だけ高さがそろわなくなる点に注意してください。

Q. 交換でキーボードが壊れることはありますか?

斜めに引き抜くと軸に力がかかり、傷む場合があります。キープラーを使って真上に抜いてください。保証の扱いはメーカーによって違うので、気になる場合は先に確かめてください。

Q. 軸の種類も替えたいのですが。

押し心地を変えたい場合は、キーキャップではなくスイッチの話になります。軸の違いは下の記事で整理しています。

Q. 透けるキーキャップは、光るキーボードでないと意味がありませんか?

文字の部分が透ける作りのキーキャップは、キーの下から光が当たる機種で文字が光って見えます。光らないキーボードに付けても使えますが、透けて見える効果は出にくくなります。光る機種で使うなら、光の出る位置とキーキャップの文字の位置が合うかも見ておくと安心です。

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